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令和8年:市長コラム

印刷ページ表示 更新日:2026年3月26日更新

令和8年4月号『東日本大震災から15年』​

 平成23年3月11日、平穏ないつもの日常に突然激しい揺れが襲ってきた。マグニチュード9.0というこれまで経験したことのない揺れに立っていることも困難な状態となった。建物は軋み、ロッカーから書類が飛び出し辺り一面に散乱。外ではいたるところに地割れや陥没が発生し、建物やブロック塀が倒壊していた。この地震により、沿岸部に巨大津波が押し寄せ、多くの人が犠牲になった。そして、東京電力福島第一原発は電源喪失により未曽有の原発事故を引き起こした。

 先日新聞に“震災の記憶風化74.4パーセント”という記事が載っていた。20代未満ではほとんどが記憶にないのが現実で、震災が“過去のもの”になりつつあると感じる。いつ発生するかわからない災害に迅速に対応するには、過去の教訓が何よりも大切であり、あの震災を経験した我々大人が風化させない努力をする必要があると思う。

 さて、去る3月14日、NHK新プロジェクトXで「命をつないだラジオ FMいわきの3・11」が放送された。被災した市民に情報を届けるために、24時間体制で放送を続けたFMいわき。停電と断水、給水や給油に長蛇の列、食品が無くなったスーパーの棚など、先の見えない不安や、やり場のない怒りが放送局に寄せられる。また、避難区域の病院から高校体育館に入院患者が移送されるが、高校には薬も灯油も食料もない。ラジオで市民に呼びかけると、リスナーから次々と物資が届き倉庫がいっぱいになった。手伝いを申し出てくれる人も現れた。気持ちの入った放送にリスナーが動いてくれた。
 その後も、水道が通水した区域の人がお風呂を提供してくれたり、理容室の人が無料で洗髪を申し出てくれたりと、24時間体制での放送が途切れることのない支援の輪を広げ、まさに命をつないだ。

 私が一番感じたのは、自分も大変なのに困っている人に手を差し伸べることのできる心の優しさだった。被災状況や復旧などの震災の『記録』と同じく、みんなが協力し助け合って乗り越えてきた『記憶』を伝えることが何よりも大切であることを、今回の放送を見て強く思った。

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