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令和8年:市長コラム

印刷ページ表示 更新日:2026年5月28日更新

令和8年6月号 “福”を招く鳥『フクロウ』

 梁川八幡神社で今年もフクロウの赤ちゃん(幼鳥)が8年連続で確認されました。毎年ゴールデンウィークの前後になると、フクロウが神社境内で子育てをし、幼鳥たちが巣立っていきます。枝の上にたたずむ姿は、まるでぬいぐるみのようで、愛らしい姿が訪れた人々を和ませてくれます。そのつぶらな瞳に心が洗われるようです。

 そんなフクロウが棲みつくようになったのは、東日本大震災で壊れた社殿の改修工事が行われた2019年から。境内北側のケヤキの木の上から見下ろしていたので、工事関係者からは『現場監督』とも呼ばれていました。
 その後も、地元の皆さんが、親のような気持ちで大切に見守ってきました。カラスが雛を襲うからとみんなで追い払ったり、雛が田んぼに落ちたと連絡が入れば、何をおいても助けに駆けつけたそうです。地元町内会では、フクロウが来たお知らせのチラシも回るなど、すっかり地域のアイドルになっています。

 でも実は私、まだ一度も面会していませんでした。それで、アポなしでしたが、昨日(5月19日)の夕方6時に会いに行きました。梁川で35・1度と全国一の暑さを記録した日だったので、巣穴の方が涼しいのか面会することができませんでした。もしかすると、無事に巣立って元気に飛んでいったのかもしれません。残念でしたが、来年はアポをとってから会いに行こうと思います…。

 みんなに愛され見守られて育ったフクロウ君。来年もこの場所で、みんなに福を届けてくれたらうれしいです。

梁川八幡神社のフクロウ

令和8年5月号『伊達ももの里マラソン大会』​

​ 相馬福島道路を霊山側から西に向かい、上保原トンネルを抜けると、一面ピンクの絨毯が視界に飛び込んできます。“桃花咲き誇る伊達市”自慢の風景がそこにあります。

 そんな春真っ只中の4月12日、第64回伊達ももの里マラソン大会が、全国21都道府県から2600人を超えるランナーにエントリーいただき、全27部門で健脚が競われました。当日は折からの強風で、ゴール前の長〜い直線が向かい風となる厳しいコンディションではありましたが、“走ること大好きランナー”にとっては、その過酷さより充実感の方が大きかったようです。
 その中で一番印象に残っているのは、小学2年生以下の1キロメートル親子部門でした。スタート直後、お父さんやお母さんは、子どもの手を引いて元気に走り出します。しかし普段の運動不足のせいか、子どもに手を引かれてゴールする姿もありました。そうした仲睦まじい親子に会場全体が“ほっこり”する温かい雰囲気になっていました。
 また今年も、友好交流都市である茨城県筑西市の職員の皆さんに多数参加いただき、マスコットキャラクターの『ちっくん』がゴールで選手をお迎えするなど花を添えていただきました。

 さてこの大会は、毎年、多くのスタッフ・ボランティアに支えられて開催しています。今年も、救護、給水、駐車場、選手誘導、走路安全など、市内の64団体770人にお手伝いをいただきました。うち約180人が市内の高校生で、ランナー一人一人に「ガンバ!」と声をかけてくれたり、最後まで残って閉会式を盛り上げてくれたり、後片付けも手伝ってくれました。こうした多くの市民の皆さんの協力があって、今大会を無事に終えることができました。

 そして、最後に参加者からいただいた言葉が、「この大会はあったかいね。来年また来ます!」でした。

令和8年4月号『東日本大震災から15年』​

 平成23年3月11日、平穏ないつもの日常に突然激しい揺れが襲ってきた。マグニチュード9.0というこれまで経験したことのない揺れに立っていることも困難な状態となった。建物は軋み、ロッカーから書類が飛び出し辺り一面に散乱。外ではいたるところに地割れや陥没が発生し、建物やブロック塀が倒壊していた。この地震により、沿岸部に巨大津波が押し寄せ、多くの人が犠牲になった。そして、東京電力福島第一原発は電源喪失により未曽有の原発事故を引き起こした。

 先日新聞に“震災の記憶風化74.4パーセント”という記事が載っていた。20代未満ではほとんどが記憶にないのが現実で、震災が“過去のもの”になりつつあると感じる。いつ発生するかわからない災害に迅速に対応するには、過去の教訓が何よりも大切であり、あの震災を経験した我々大人が風化させない努力をする必要があると思う。

 さて、去る3月14日、NHK新プロジェクトXで「命をつないだラジオ FMいわきの3・11」が放送された。被災した市民に情報を届けるために、24時間体制で放送を続けたFMいわき。停電と断水、給水や給油に長蛇の列、食品が無くなったスーパーの棚など、先の見えない不安や、やり場のない怒りが放送局に寄せられる。また、避難区域の病院から高校体育館に入院患者が移送されるが、高校には薬も灯油も食料もない。ラジオで市民に呼びかけると、リスナーから次々と物資が届き倉庫がいっぱいになった。手伝いを申し出てくれる人も現れた。気持ちの入った放送にリスナーが動いてくれた。
 その後も、水道が通水した区域の人がお風呂を提供してくれたり、理容室の人が無料で洗髪を申し出てくれたりと、24時間体制での放送が途切れることのない支援の輪を広げ、まさに命をつないだ。

 私が一番感じたのは、自分も大変なのに困っている人に手を差し伸べることのできる心の優しさだった。被災状況や復旧などの震災の『記録』と同じく、みんなが協力し助け合って乗り越えてきた『記憶』を伝えることが何よりも大切であることを、今回の放送を見て強く思った。

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